テキスト ボックス: アルマティ案内 

 


 1.地理

 アルマティ市は面積300平方キロメートル、人口約125万3,700人(2006年3月1日)でカザフスタン共和国(面積272.5万平方キロメートル(日本の約7倍)、人口約1,524万3500人(日本の約1/8))の南東部に位置する同国最大の都市です。北緯43度に位置し、札幌市とほぼ同緯度に位置します。標高が約800メートルと高いのは、天山山脈の支脈(アラタウ山脈)に町が広がったためです。市内東部、カザフスタンホテルのすぐ裏を小アルマティ川が、市内西部のカザフ国立大学脇を大アルマティ川が流れ、夏場には水浴びを楽しむ人々で賑わいます。市の南東にはコクトベ山(カザフ語で「緑の丘」の意味、海抜1,130メートル)があり、そこからは街を一望できます。市内は北から南へ向かってなだらかな上り坂になっており、街の通りは碁盤の目のように整然と区画されています。気候は他の中央アジアの諸都市と比べると過ごしやすいと言えますが、平均気温は夏が23度、冬がマイナス6度と寒暖の差は小さくありません。

 

 

 2.歴史

 アルマティは若い街で、その歴史は浅いと言えます。現在アルマティ市がある付近は、サカ族(紀元前3世紀頃)やチュルク系民族が集落を築き、東西の通商拠点の一つではありました。しかし、街として開発されたのは1854年にロシア帝国が中央アジア征服のための要塞をこの地に建設したのが始まりです。それまでアルマアタ(「林檎の里」の意味、カザフ語)と呼ばれていた小さな集落は、ヴェルノエ(「忠実」の意味、ロシア語)とロシア風に改名されました。1867年にはセミレーチェンスキー州の州都としてヴェルヌィ市と改称、行政の中心地となりました。

 

 ロシア革命後、1920年にキルギス自治共和国が形成され、アルマティは同自治共和国内に編入されました。キルギス自治共和国の首都は当初、オレンブルグでしたが、カザフ自治共和国と名称を変更した1925年にクズル・オルダに移され、その後1929年に現在のアルマティに遷都されました(当時すでにヴェルヌィはアルマアタに名称を変更していました)。カザフ自治共和国は1936年12月にカザフ・ソビエト自治共和国となり、アルマティは同国の首都として発展を続けてきました。この頃、トルキスタン・シベリア鉄道の開業により開発が本格的に始まり、第二次世界大戦によってソ連のヨーロッパ部から大量の避難民、疎開者が流入したことで人口も増加、街も発展を続けたのです。

 

 ゴルバチョフ書記長によるペレストロイカ路線が始まった1986年12月、アルマティで、「ソ連初の民族暴動」といわれる暴動事件が起こりました。これは「アルマアタ事件」と呼ばれています。カザフ人のクナーエフ・カザフスタン共産党第一書記を罷免し、ロシア人のコルビンを第一書記に任命した人事をきっかけとする暴動は、民族的暴動の様相を呈しました。暴動は、現在のアルマティ共和国広場で起こり、死者数名、負傷者数百名を出したと言われています。

 

 その後、一連の変化の中で、1990年10月にカザフ・ソビエト社会主義共和国は共和国主権宣言を出し、1991年12月のソ連崩壊に伴って同年12月16日に独立を果たしました。その際、国名をカザフスタン共和国とし、市名もロシア語風のアルマアタから、旧来のアルマティに戻りました。

 

 1997年12月10日、首都はアルマティからアスタナ市へと遷都されましたが、アルマティはカザフスタンの経済・文化の中心として発展を続けています。

 

 

 3.観光案内

(1)メデウМедеу

 

 アルマティ市の中心から南へ15キロメートル登った、アラタウ山系中にある観光・スポーツ施設(標高1,700メートル)。中心施設であるメデウ・スケートリンク(10,500㎡)は1972年に開設され、ここで数多くのスケートの世界新記録が出ました。そのため、「世界記録の工場」とも言われています。現在でも世界大会が行われていますが、毎年12月から3月頃にかけては一般開放もされています。    

 また、夏期には国際歌謡コンクール「アジアダウス(アジアの声)」も行われて、海外からも歌手が参加しています。この他、小規模な遊園地もあります。

 

 

(2)コクトベ山Коктобе

 

 市の南東に位置する海抜1,130メートルの山。ここからはアルマティの街が一望できます。アルマティ市民にとって最も身近な景勝地と言えますが、観光施設は十分には整備されていません。山頂へはカザフスタンホテル近くから出ているロープウェーで約10分で行くことができますが、現在は安全上の理由によりおすすめはできません。ちなみにコクトベとはカザフ語で「緑の丘」を意味します。

 山の斜面にそびえ立つテレビ塔(海抜1,000m,高さ327m)周辺は軍の施設で立ち入り禁止なので注意すること。

 

 

(3)カザフスタン国立中央博物館Центральный госдарственный музей РК М.р-н Самал-1,44,Tel;264-22-00,264-55-77

 

 大統領官邸の横にある、カザフスタンで最も充実した文化遺産を展示する博物館です。ここでは、先史時代から現代までの、カザフ人及びカザフスタンの歴史を窺い知ることができます。

 

 

(4)民族楽器博物館Музей казахских народных музыкальных инструментов Ул.Зенкова,24,Tel;261-63-37                                          

 

 パンフィロフ28戦士公園内にある、カザフ人の伝統的民族楽器を展示・説明する博物館です。カザフの代表的な擦弦楽器ドンブラや、古くはシャマニズムの儀式にも使われた擦弦楽器コブズ、古くから伝わる楽器ジェティゲンなど、40種類以上にも及ぶ楽器を所蔵しています。なお、建物はカザフスタンの伝統的な建築様式に基づいた木造建造物です。

 

 

(5)カザフ考古学博物館АрхеологическиймузейАНРК Просп.Достык,44 уголул.Жамбыла,2эт, Tel;291-85-85,291-86-32            

 

 長年に渡る研究・発掘の結果発見された、多くの考古学的遺物を所有しています。その他、カザフ人の芸術的な手工芸品にもお目にかかれます。

 

 

(6)カスチェエフ美術館Госдарственныймузейискусстваим.А.Кастеева Ул.АкадемикаСатпаева,30 а,Tel;247-83-56    

 

 ハイアット・リージェンシーホテルの斜め向かいにある、ピラミッド型をした美術館です。近代カザフ絵画の発展に寄与した著名なカザフ人画家カスチュエフ(1904-1973)の作品を中心に、各種の彫刻や絵画が展示されています。「中央アジア-カザフスタン」という土地柄からか、天然の石材を利用した作品や、山や草原など大自然を描いた作品が多いのが特徴です。

 

 

(7)国立アバイ・ オペラ・バレエ劇場 Казахский госдарственный академический театр оперы и балета им.Абая   Ул.Кабанбай Батыра,110,Tel;72-79-34)

 

 アルマティ市の代表的なバレエ・オペラ劇場です。2001年の5月5日にリニューアル・オープンしました。「カルメン」や「白鳥の湖」、「チョウ=チョウ=サン(蝶々婦人)」などの著名な作品はもちろん、カザフの“ロミオとジュリエット”といわれる「コズ・コルペシュとバヤシ・スル」、カザフの英雄叙事詩を題材にした「アルパムシュ・バトゥル」など、当地の伝統文芸をオペラにアレンジした作品も上演されています。日本人による公演もここで行われたことがあり、いずれも好評を博しました(2001年9月・日本のオペラ「夕鶴」公演、2002年9月・沖縄民族舞踊団公演、2004年3月・和太鼓演奏グループ「TAWOO」のコンサート)。

 

 

(8)パンフィロフ28戦士公園  Парк им.28 Гвардейцев-Панфиловцев                      

 

 オトラルホテルの向かい側、ゴーゴリ通りとカズベク・ビィ通りの間にある公園です。大祖国戦争(第二次世界大戦)の際に当地で編成され、モスクワに出征、ドイツ軍からの攻撃を防御したイヴァン・パンフィロフ率いる28人の戦士を記念するために造られました。敷地内には、28戦士のモニュメントや、永遠の火が灯る無名戦士の墓、ゼンコフ正教会があり、市民の憩いの場となっています。週末は、結婚式の記念撮影スポットとして多くの新郎新婦で賑わう光景に出会えます。

 

 

(9)ゼンコフ正教会(Зенковский Собор) Ул.Пушкин угол ул.Гоголя,Tel;233-05-39

 

 28戦士公園内にあるロシア正教会。A.ゼンコフにより設計され、1904年に建設されました。1911年、アルマティを襲ったM.10の地震でも倒れなかったという木造建造物です。ソビエト時代は博物館として利用されていたが、1995年5月から再びロシア正教会として礼拝が行われています。

 

 

(10)共和国広場 Пл.республики

 

 旧大統領府の前、サトゥパエフ通りにある広大な広場で、モスクワの赤の広場を想起させます。1986年のアルマアタ事件(歴史の欄を参照下さい)の舞台でもあります。

 

 

 (11)チェンブラクЧимбулак

 

 メデウ後方のダムをさらに4kmほど登ったところにあるリゾート地(高度2,200m~3,200m)。夏は避暑地、冬は良質のパウダースノーに恵まれ、中央アジア一のスキーリゾート地として賑わいます。ここから3つのリフトを乗り継ぐと3,200mの高度にまで到着でき、眺望は格別です。夏でもリフトは稼働しており、8月には氷河(万年雪)を見ることができます。 

 

 

(12)日本人墓地 Кладбище Японцев

 

  日本人抑留死亡者の埋葬地は、市北西部のライムベク通り沿いにある中央墓地内にあります。145名の日本人が埋葬されており、整然と墓石が並んだ様子は、訪れた者に感慨を与えます。なお、カザフの習慣では墓地は手入れをせず、そのままにするのが一般的で、日本のように掃除を行うことはありません。そのため、年に一度、カザフスタン日本人会の方々が清掃を行っている他、当地のボランティア団体に自主的に手入れをしていただいています。

 

 第二次大戦後、カザフスタン全土では推計5万8千人の日本人が抑留され、1,393人が亡くなりました。アルマティ市にも第40戦争捕虜収容所が置かれ、収容所支部は現在のリージェンシー・アンカラホテル、新テレビセンター地区やアルマティ第1駅にあったとされます。ここに抑留されていた日本人は主に建築工事に従事し、旧国会議事堂、科学アカデミー、第7発電所などを建設しました。この他にもアブライ・ハン通りやジェルトクサン通りにある古い団地も、彼らによって作られたといいます。カザフスタンの人々の日本人観は「勤勉」「清潔」であり、このような日本人観の形成には、抑留されていた日本人が与えた印象が大きく反映していると言えるのではないでしょうか。

 

 

 4.ショッピング

(1)ツム (中央デパート)ЦУМ    Просп.Абылай хана62, Tel;.233-89-98

 

 アルマティ最大のデパート。カザフスタン土産(ユルタの置物、絨毯、革製の小物入れなど)は、ここの3階でだいたい揃えることができます。

 

 

(2)中央バザールЦентральный базар   Проср.Жибек Жолы 53,Tel;233-29-60

 

 アルマティで最も大きいバザールで、グリーンバザールとも呼ばれます。カザフ人のみならず、ドライフルーツを売るタジク人、フルーツを売るウズベク人など様々な人種・言語が交錯し、活気に満ちています。また、韓国系の売り子が豆腐や餅などを売っていることもあります。食料品売り場の外側には雑貨・日用品を扱う小さな店が軒を並べていますが、いつも人でごった返しており、スリには注意が必要です。

 

 

(3)バラホルカБарахолка    Заря Востока, Tel; 241-41-30

 

 別名コンテナバザール。こちらは食料品よりも日用品・衣料品がメインです。アルマティ市中心から車で30分ほどの郊外にあり、広大な敷地に大勢の買い物客で賑わっています。中央バザール同様、スリにはご注意下さい。

 

 

(4)ラムストールРамстор  Ул.Фурманова 226, Tel; 258-75-80

 

 旧大統領府の近く、アルマティ最大のショッピングセンターです。食料品から日用品まで幅広い品揃えで、野菜、果物、肉などの生鮮食品も充実しています。店内1階にはスケートリンクがあり、それを囲むようにフードコートやレストランが並び、一見、日本のショッピングモールにいるかの印象が残ります。

 

 

(5)シルクウェイ Silk Way   Ул.Фурманова-Жибек Жолы-Кунаева,Tel; 273-61-70 

 

 2002年4月にオープンした2階建てショッピングアーケードです。中にはベネトン、MONT BLANC等の欧米系ショップが入っています。ツムよりも若者向けの商品が多いと言えます。

 

 

(6)ユビレィニー・マガジン ダスタルハンЮбилейный Магазин Дастархан   Ул.Гоголя, просп.Абылай хана 74, Tel;250-75-50                                                   

 

  ラムストールより規模は小さいが、品揃えは豊富です。店頭にはいくつかの屋台が建ち並び、夏にはカフェがオープンし、深夜遅くまで賑わっています。常に店員がたくさんいて、迷っていると声をかけてくれます。

 

 

(7)インターフードINTER FOOD Ул.Гоголя 15 тел.230-26-24 /  ул.Кабанбай батыра 104 Tel; 263-52-43

 

 輸入食料品、生活雑貨、日用品(主にドイツから)を中心に扱っているスーパー。

 

 

(8)シルクウェイシティSilk Way City Ул.Толе-би угол ул.Наур узбай-батыра

 

 2004年3月にオープンしたショッピングセンター。24時間営業のスーパーマーケットのほか、映画館、フードコート形式のカフェ、楽器店、輸入食器店、土産物店などが入っています。他のショッピングセンターに比べ、テナントの種類は比較的豊富と言えます。

 

 

(9)アズマАзума Коктем 2, дом 19,Tel; 247-29-86                         

 

 韓国製のカレーや栄養ドリンク、菓子、日用雑貨などを売っています。日本の木綿豆腐に似た豆腐やパン粉も売っているほか、時々、新鮮な魚が入荷されるので、頻繁に足を運ぶと良い食材に出会えるかもしれません。

 

 

(10)「リーさんの店」  Ул.Маркова 24

 

 韓国食材を売っていますが、個人の家の軒先を店にしているので少々分かりにくい場所にあります。季節によってさつまいも、白菜、大根なども販売しています。韓国製品のゴマ油、醤油、味噌、ごま、粉末生姜、パン粉、海苔、ワカメ、しらすなどもあります。こちらもアズマと同様、日によって置いてある商品にムラがあります。