海外安全対策情報(カザフスタン)令和2年第1四半期

令和2年5月27日
1 社会・治安情勢
    2016年6月に発生したテロ事件の影響により全土に発令されていたテロ警戒レベル「黄」は,2017年1月15日をもって解除されており,以降,テロ事件の発生は,確認されていません。しかしながら,当地では,テロとの関連が疑われる者の逮捕が相次ぐなど,予断を許さない状況が続いており,一般犯罪を含む治安情勢を注視すべき状況にあります。

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)犯罪統計
      カザフスタン国民経済省統計委員会が発表した2020年1月から3月の犯罪統計によれば,当地における犯罪登録件数は,5万4,990件(昨年比23.9%減)でした。
      主な犯罪種別は,殺人(未遂を含む)が192件,財産犯が3万9,963件(うち強盗は,2万3,670件),薬物犯が2,237件であり,犯罪発生割合は,1万人に対し118件,損害額は,575億170万テンゲでした。
(2)邦人被害事件
      発生していないものと承知。
(3)主な薬物犯罪(報道)
    ア 北カザフスタン州警察局麻薬取締局は,300グラムのヘロイン(350万テンゲ相当)を押収し,ヘロインの密売ルートを遮断した。
(トータル,1月28日)
    イ 国家保安委員会は,アクタウ国際空港において,イランからヘロイン(5000万テンゲ相当)を密輸した疑いでカザフスタン人3名の身柄を拘束した。
(トータル,2月24日)
    ウ ジャンブィル州警察局は,薬物の売買に関与した疑いでコルダイ地区の住民2名の身柄を拘束し,1キログラムを超えるヘロインを押収した。
(ヌルKZ,2月24日)

3 テロ・爆弾事件発生状況
(1)カザフスタン国家保安委員会は,ナウルーズ期間中のテロを企図した疑いでダー イシュの支持者を逮捕・勾留し,手りゅう弾2個を押収した。 (国家保安委員会発表,3月14日)
(2)カザフスタン国家保安委員会は,首都ヌルスルタンでのテロを企図した疑いで破 壊主義に基づく宗教運動の信奉者を勾留し,手製爆発物を押収した。
(国家保安委員会発表,3月26日)

4 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人被害は,発生していないものと承知。

5 日本企業の安全に関わる諸問題
カザフスタン国民及び当地に在留する外国人の日本人に対する感情は,良好といえ ますが,当地で生活する上では引き続き,一般犯罪に対する注意が必要です。