カザフスタン核セキュリティ強化支援事業完了式典について
1.カザフスタン核セキュリティ強化支援事業
(1) 旧ソ連時代に核兵器が配備されていたカザフスタンは,独立後,非核兵器国として核兵器不拡散条約(NPT)に加盟し,国際原子力機関(IAEA)の保障措置(核物質の査察制度)を受けることになりました。我が国は,日・カザフスタン両国の原子力平和利用に関する協力の機運が高まったこと等を背景に,2007年にカザフスタンの核セキュリティ強化のための協力を決定し,2011年11月に実施取り決めが署名され事業を開始しました。
(2) 本協力では,同国の代表的な原子力施設であるウルバ冶金工場(核燃料加工工場)及び核物理研究所に対し,テロ等の脅威評価を踏まえた防護対策強化のため,ウルバ冶金工場には3.37億円,核物理研究所には89百万円相当の設備構築支援及び機材供与を行ったほか,原子力施設の職員のセキュリティに関する専門性の強化を目的として,IAEAとの連携により,アルマティにおいて核セキュリティ・トレーニング・コース(6.3百万円相当)を行いました。
2.カザフスタン核セキュリティ強化支援事業完了式典
(1) 4月30日,カザフスタンに対する核セキュリティの強化支援事業が完了したことから,薗浦外務大臣政務官,蒲原在カザフスタン特命全権大使,カラバリン・エネルギー省第一次官の臨席の下,カザフスタン核セキュリティ強化支援事業完了式典が行われました。
(2) 式典では,薗浦外務大臣政務官より「日・カザフスタン核兵器廃棄協力委員会」の事業が核不拡散,核セキュリティに強化に一層の成果を挙げ,核テロ防止に向けた国際的な取り組みに対しても大きく貢献することを述べたほか,カラバリン・エネルギー省第一次官からは,本事業の目的は非常に高いレベルで達成され,これは本分野における一層の協力につながるものであるとの挨拶があるなど,核兵器廃絶に向けた日本とカザフスタン間の一層の協力の促進が確認されました。