氷上で遊ぶ際の注意点(カザフスタン非常事態省)
在カザフスタン大使館
アスタナも夏が終わり寒くなりつつあります。11月には市内の川も凍りつくでしょう。
みなさまの中にはこれを機会にスキー、スケートをはじめ様々なウインタースポーツを楽しまれる方がおられると思います。
日本とは異なり天然の氷上でこれらスポーツを楽しめることがカザフスタン生活の醍醐味でしょうが思わぬ事故に遭遇することもあろうかと思います。
カザフスタン非常事態省ホームページでは氷上活動における危険の避け方及び対処の方法を掲載していますので、それを抜粋するかたちでご紹介したいと思います。
氷上で(危険な場所、安全な場所)
人間を支えることのできる氷の厚みは、1人の場合4~5cm、5人から7人となると12~14cmの厚みが必要だと言われています。 ここで問題となるのは、外の概観からどのようにして氷の厚さを判断するかですが、いくつかのポイントがあるようです。
色調・透明度
厚い氷は青もしくは緑がかり、内部に混入する気泡が少ないため透明度が高いです。 それとは逆に薄い氷は内部に気泡が混じり(特に降雪の後は)乳白色に見えます。 春先、雪解けが始まったころの黄色がかった透明度の低い氷は特に脆弱です。
場所(どの部分が安全で、どの部分が危険か)
池、川が凍るとき、均一な厚さに凍るのではなく、厚い所、薄い所と、様々な厚さに凍ります。
どのような場所の氷が厚く、どのような場所の氷が薄いのかを知ることは危険を避けるのに重要です。
一般に曲がりくねって走行する河川は川の中央部の氷が均質で厚いようです。
土手から河面に降りるときは雪が降り積もっていない場所を選びましょう。
傾斜が急な土手、岩、茂みの近くは氷が薄いこと多いようです。
流れが急になる合流部、池、湖などの流入部も氷の厚さが不均一で薄いことが多いようです。
氷上での危険を避けるために
- 薄い氷の上にはのらない。
- 狭い場所に多人数で集まらない。
- 氷の穴、裂け目、谷間などに近寄らない。
- 凍った河の土手でスキー、そりなどをしない。
- 禁止された場所の氷面に立ち入らない。
- 夜間、霧、吹雪などで視界が悪いときに氷上に立ち入らない。
- オートバイ・車などを氷上に乗り入れない。
氷上での歩き方
強度が信頼できない氷上では、足をすべらすように、極力ゆっくりと足を降ろし強い衝撃を氷に加えないようにしましょう。
スキーを履いて横断中に氷が割れる危険を感じたら、すみやかにビンディングをはずして不測の事態に備えましょう。
この時、スキー板からは降りないように。(スキー板はあなたの体重を効果的に分散させています。)
背中に荷物を背負っている場合はストラップの片方を肩からはずし、スキーストックの輪からは手首をはずすように。
グループで歩く場合は縦に5,6mの間隔を持って列を作り、先頭はもっとも経験のある人が歩くようにしましょう。
ゆっくりと歩いている限りめったに突然氷が割れることはありません。
それでも氷が割れる徴候(ひび割れる音、水の浸みだし、氷面の沈下など)を感じたら、元来た“わだち”をたどりゆっくりと後退してください。
氷が足下で割れ始めたら
背負っている荷物は遠くに投げ、両手足を広げ氷上で腹這いになってください。
スキーを履いていて、もし可能ならば平行に並べたスキー板に腹這いになり匍匐(ほふく)前進するように元来た“わだち”をたどるように後退してください。
もし、水中に落ち込んだら、向こう側の氷の裂け目に足が届く場合には足を突っ張るようにして片足ずつ氷上に脱出します。
一旦氷上に出たら転がるようにして氷の厚い部分に移動します。
氷の裂け目が大きい場合は極力落ちたその場所から氷上に這い上がるようにします。
いずれの場合も大声で助けをよぶことを忘れずに。
あなたが救助しなければならないとき
決して立ち上がった状態で氷の裂け目に近づかないように、また、多人数で氷の裂け目に行かないように。 腹這いの状態で水に落ちた人に近づき、ロープ、ベルトなどを投げ、落ちた人が端をつかんだら、ゆっくりと引っ張るようにしましょう。 多人数がいる場合にはお互い手足をつかみながら人間チェーンを作るのも一法です。
水から引き上げたら
可能な限り乾いた服に着替えさせるか、濡れた服を絞るようにしましょう。 暖かく甘い食事を与え、手足を動かし体を内部から暖めるようにしましょう。